一手一手

インターネットのおかげで将棋の観戦を楽しませてもらってる。中学以来触れて無いので強くはない。
将棋の戦法は初手こそあまりバリエーションがないが(先手で17種、後手の場合も17種なので組み合わせは17*17=289種)、指し手を進めていくとよくもまぁと思うくらい同一局面にはなかなかなりえない。
その時その時に選択する一手一手が文字通り戦いの岐路で王将の運命の岐路だ。選択した一手が違う局面を呼び、時には優勢に時には劣勢に局面を進めていく。
他人の局面を途中から覗くと(他人が私の局面を覗くと)、何でこうなるのだ?、と思うこともしばしばだけれど(と思われるに違いない、きっと)、初手から追っていくと、当人にとっては悪手好手取り混ぜた必然の行く末。

日々生きていく中で、根拠のない希望を持ち、窮地を打開し逆転に1%の望みにかけるのか、華々しく切り込んだものの攻めは切れ筋で尻すぼみ戦意喪失となるか、優勢の局面に満足している間に頓死を食らうのか。

人生は即本番練習はなし、二手指しのようにやり直しもなし、将棋のように9x9の81マス目ではなく、マス目の大きさも立ちはだかる障害も何も分からない。
神とか運命と呼ばれるものががどんな手を指して新たな局面を提示するのか。
それでも、時間は刻々と過ぎていくので自分の選択した手を信じて一手一手と手を進めるしかない。

時間切れで負けというオチだったりして。